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第9条《その他の利益の享受》関係

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9-1
(「利益を受けた」の意義) 法第9条に規定する「利益を受けた」とは、おおむね利益を受けた者の財産の増加又は債務の減少があった場合等をいい、労務の提供等を受けたような場合は、これに含まないものとする。
9-2
(株式又は出資の価額が増加した場合) 同族会社法人税法昭和40年法律第34号第2条第10号に規定する同族会社をいう。以下同じ。の株式又は出資の価額が、例えば、次に掲げる場合に該当して増加したときにおいては、その株主又は社員が当該株式又は出資の価額のうち増加した部分に相当する金額を、それぞれ次に掲げる者から贈与によって取得したものとして取り扱うものとする。この場合における贈与による財産の取得の時期は、財産の提供があった時、債務の免除があった時又は財産の譲渡があった時によるものとする。 1 会社に対し無償で財産の提供があった場合 当該財産を提供した者 2 時価より著しく低い価額で現物出資があった場合 当該現物出資をした者 3 対価を受けないで会社の債務の免除、引受け又は弁済があった場合 当該債務の免除、引受け又は弁済をした者 4 会社に対し時価より著しく低い価額の対価で財産の譲渡をした場合 当該財産の譲渡をした者

(昭57直資7-177、平15課資2-1、平20課資2-10改正)

9-3
(会社が資力を喪失した場合における私財提供等) 同族会社の取締役、業務を執行する社員その他の者が、その会社が資力を喪失した場合において9-2の1から4までに掲げる行為をしたときは、それらの行為によりその会社が受けた利益に相当する金額のうち、その会社の債務超過額に相当する部分の金額については、9-2にかかわらず、贈与によって取得したものとして取り扱わないものとする。 なお、会社が資力を喪失した場合とは、法令に基づく会社更生、再生計画認可の決定、会社の整理等の法定手続による整理のほか、株主総会の決議、債権者集会の協議等により再建整備のために負債整理に入ったような場合をいうのであって、単に一時的に債務超過となっている場合は、これに該当しないのであるから留意する。

(昭57直資2-177、平12課資2-258改正)

9-4
(同族会社の募集株式引受権) 同族会社が新株の発行当該同族会社の有する自己株式の処分を含む。以下9-7までにおいて同じ。をする場合において、当該新株に係る引受権以下9-5までにおいて「募集株式引受権」という。の全部又は一部が会社法平成17年法律第86号第206条各号募集株式の引受けに掲げる者当該同族会社の株主の親族等親族その他法施行令第31条に定める特別の関係がある者をいう。以下同じ。に限る。に与えられ、当該募集株式引受権に基づき新株を取得したときは、原則として、当該株主の親族等が、当該募集株式引受権を当該株主から贈与によって取得したものとして取り扱うものとする。ただし、当該募集株式引受権が給与所得又は退職所得として所得税の課税対象となる場合を除くものとする。

(昭57直資2-177、平18課資2-2改正)

9-5
(贈与により取得したものとする募集株式引受権数の計算) 9-4において、だれからどれだけの数の募集株式引受権の贈与があったものとするかは、次の算式により計算するものとする。この場合において、その者の親族等が2人以上あるときは、当該親族等の1人ごとに計算するものとする。 算式中の符号は、次のとおりである。 Aは、他の株主又は従業員と同じ条件により与えられる募集株式引受権の数を超えて与えられた者のその超える部分の募集株式引受権の数Bは、当該法人の株主又は従業員が他の株主又は従業員と同じ条件により与えられる募集株式引受権のうち、その者の取得した新株の数が、当該与えられる募集株式引受権の数に満たない数の総数Cは、Bの募集株式引受権の総数のうち、Aに掲げる者の親族等親族等が2人以上あるときは、当該親族等の1人ごとの占めているものの数

(昭57直資2-177、平18課資2-2改正)

9-6
(合同会社等の増資) 同族会社である合同会社及び合資会社の増資については、9-4及び9-5の取扱いに準ずるものとする。

(昭57直資2-177、平18課資2-2改正)

9-7
(同族会社の新株の発行に伴う失権株に係る新株の発行が行われなかった場合) 同族会社の新株の発行に際し、会社法第202条第1項株主に株式の割当てを受ける権利を与える場合の規定により株式の割当てを受ける権利以下9-7において「株式割当権」という。を与えられた者が株式割当権の全部若しくは一部について同法第204条第4項募集株式の割当てに規定する申込みをしなかった場合又は当該申込みにより同法第206条第1号に規定する募集株式の引受人となった者が同法第208条第3項出資の履行に規定する出資の履行をしなかった場合において、当該申込み又は出資の履行をしなかった新株以下「失権株」という。に係る新株の発行が行われなかったことにより結果的に新株発行割合新株の発行前の当該同族会社の発行済株式の総数当該同族会社の有する自己株式の数を除く。以下9-7において同じ。に対する新株の発行により出資の履行があった新株の総数の割合をいう。以下9-7において同じ。を超えた割合で新株を取得した者があるときは、その者のうち失権株主新株の全部の取得をしなかった者及び結果的に新株発行割合に満たない割合で新株を取得した者をいう。以下9-7において同じ。の親族等については、当該失権株の発行が行われなかったことにより受けた利益の総額のうち、次の算式により計算した金額に相当する利益をその者の親族等である失権株主のそれぞれから贈与によって取得したものとして取り扱うものとする。 1 その者が受けた利益の総額 2 親族等である失権株主のそれぞれから贈与により取得したものとする利益の金額 1 1の算式中の「A」は次により計算した価額による。 2 2の算式中の「F」は失権株主のそれぞれについて次により計算した金額の合計額による。 D×B+E×C-A×B+C 3 2の算式中の「G」は、失権株主のうち親族等である失権株主のそれぞれについて2の算式により計算した金額による。

(昭57直資2-177追加、平18課資2-2改正)

9-8
(婚姻の取消し又は離婚により財産の取得があった場合) 婚姻の取消し又は離婚による財産の分与によって取得した財産民法第768条財産分与、第771条協議上の離婚の規定の準用及び第749条離婚の規定の準用参照については、贈与により取得した財産とはならないのであるから留意する。ただし、その分与に係る財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮してもなお過当であると認められる場合における当該過当である部分又は離婚を手段として贈与税若しくは相続税のほ脱を図ると認められる場合における当該離婚により取得した財産の価額は、贈与によって取得した財産となるのであるから留意する。

(昭57直資2-177、平17課資2-4改正)

9-9
(財産の名義変更があった場合) 不動産、株式等の名義の変更があった場合において対価の授受が行われていないとき又は他の者の名義で新たに不動産、株式等を取得した場合においては、これらの行為は、原則として贈与として取り扱うものとする。

(昭39直審(資)22改正)

9-10
(無利子の金銭貸与等) 夫と妻、親と子、祖父母と孫等特殊の関係がある者相互間で、無利子の金銭の貸与等があった場合には、それが事実上贈与であるのにかかわらず貸与の形式をとったものであるかどうかについて念査を要するのであるが、これらの特殊関係のある者間において、無償又は無利子で土地、家屋、金銭等の貸与があった場合には、法第9条に規定する利益を受けた場合に該当するものとして取り扱うものとする。ただし、その利益を受ける金額が少額である場合又は課税上弊害がないと認められる場合には、強いてこの取扱いをしなくても妨げないものとする。
9-11
(負担付贈与等) 負担付贈与又は負担付遺贈があった場合において当該負担額が第三者の利益に帰すときは、当該第三者が、当該負担額に相当する金額を、贈与又は遺贈によって取得したこととなるのであるから留意する。この場合において、当該負担が停止条件付のものであるときは、当該条件が成就した時に当該負担額相当額を贈与又は遺贈によって取得したことになるのであるから留意する。
9-12
(共有持分の放棄) 共有に属する財産の共有者の1人が、その持分を放棄相続の放棄を除く。したとき、又は死亡した場合においてその者の相続人がないときは、その者に係る持分は、他の共有者がその持分に応じ贈与又は遺贈により取得したものとして取り扱うものとする。
9-13
(信託が合意等により終了した場合) 法第9条の3第1項に規定する受益者連続型信託以下「受益者連続型信託」という。以外の信託令第1条の6に規定する信託を除く。以下同じ。で、当該信託に関する収益受益権信託に関する権利のうち信託財産の管理及び運用によって生ずる利益を受ける権利をいう。以下同じ。を有する者以下「収益受益者」という。と当該信託に関する元本受益権信託に関する権利のうち信託財産自体を受ける権利をいう。以下同じ。を有する者以下「元本受益者」という。とが異なるもの以下9の3-1において「受益権が複層化された信託」という。が、信託法平成18年法律第108号。以下「信託法」という。第164条委託者及び受益者の合意等による信託の終了の規定により終了した場合には、原則として、当該元本受益者が、当該終了直前に当該収益受益者が有していた当該収益受益権の価額に相当する利益を当該収益受益者から贈与によって取得したものとして取り扱うものとする。

(平19課資2-5、課審6-3追加)

9-13の2
(配偶者居住権が合意等により消滅した場合) 配偶者居住権が、被相続人から配偶者居住権を取得した配偶者と当該配偶者居住権の目的となっている建物の所有者との間の合意若しくは当該配偶者による配偶者居住権の放棄により消滅した場合又は民法第1032条第4項建物所有者による消滅の意思表示の規定により消滅した場合において、当該建物の所有者又は当該建物の敷地の用に供される土地土地の上に存する権利を含む。の所有者以下9-13の2において「建物等所有者」という。が、対価を支払わなかったとき、又は著しく低い価額の対価を支払ったときは、原則として、当該建物等所有者が、その消滅直前に、当該配偶者が有していた当該配偶者居住権の価額に相当する利益又は当該土地を当該配偶者居住権に基づき使用する権利の価額に相当する利益に相当する金額対価の支払があった場合には、その価額を控除した金額を、当該配偶者から贈与によって取得したものとして取り扱うものとする。 民法第1036条使用貸借及び賃貸借の規定の準用において準用する同法第597条第1項及び第3項期間満了及び借主の死亡による使用貸借の終了並びに第616条の2賃借物の全部滅失等による賃貸借の終了の規定により配偶者居住権が消滅した場合には、上記の取り扱いはないことに留意する。

(令元課資2-10追加)

9-14
(法第7条の規定に関する取扱いの準用) 法第9条に規定する「著しく低い価額」、「債務」、「資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合」及び「債務を弁済することが困難である部分の金額」については、7-1及び7-3から7-5までの取扱いに準ずるものとする。

(昭57直資2-177改正、平15課資2-1、平19課資2-5、課審6-3改正)

出典: 国税庁ホームページ。本文は表記の正規化・改正注記の構造化などの加工を行って掲載しています。

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